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chocoolique の世界あちこち日記

■銀行強盗!




目撃編 ★ドイツで銀行強盗★


舞台はドイツのハンブルク。現金の出納のため、当時、私は週に2~3回銀行に通う生活を送っていた。

そんなある日の午後のことだった。よく晴れた昼下がり。いつもの道を通って、いつもの銀行に行った私は、大理石で建てられた厳かな銀行の窓口のひとつに、他の利用客とともに列をなしていた。

私の前には中年の男性。後ろには近くの会社で働くであろう女性たち。いつもと変わらないそんな光景を眺めながら、私は自分の番が来るのを待った。

そして私の番が来た。いつも通り現金に伝票を添えて出し、必要な硬貨を両替してもらい、カバンにしまう。行員にダンケと言い、私は出口へと向かう。そう、ここまではいつもの通りであった。

が、なぜか、ドアが固く閉められている。さっき入ったときは開いていたのに。ドアの前にはいつの間にか警備員らしき人が立ちはだかっている。いつもはこんなのいないのに。戸惑う私に警備員らしき男性は言う。事情があって出入り禁止です、と。

そうか。事情か。私は踵を返すと、裏口へと向かった。

するとここにも警備員らしき男性が。ナイン、ナイン、出入り禁止です、と。そこでようく見ると、この警備員らしき人というのは、実は警察官であった。「何があったのですか」 私は聞いた。

「銀行強盗が入りました――」

ヌオー?!

「そ、それで、ひ、被害金額わ?!」

「それは公表できません」

しかし警備員風の警察官は私にこう説明してくれた。客を装った強盗が銃をちらつかせ、金を出せ、と言った。そしてそのまま去っていった。

それから続けて私に質問した。怪しい人物を見なかったか。あなたは外国人ですか。滞在許可証は持っていますか。

事件に便乗して私の滞在許可証について質問するあたり、さすがドイツ人である。私はあいにくやましいことはしていないし、どこからどうみても犯人の一味には見えないいでたちであったのが。

警官は念のためにと私の電話番号を聞いた。そしてしばらくすると、私も他の客たちも釈放されたのであった。



そんだけ。





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